![]() |
水ゴカイ |
水ゴカイは地堀りのエサで地元で流通する程度。 姿、形はイシゴカイに似るがイシゴカイよりさらに 軟らかく水っぽい。低塩分に強い。干潟の消滅な どで採取量が減っている。ハゼなどによい。 |
![]() |
イシゴカイ |
和名はイソゴカイだが関西ではイシゴカイ、関東で はジャリメと呼ばれる。釣りエサとしては広範囲に使 われ、シロギス、ハゼなどによく使われる |
![]() |
アオイソメ |
チョウセンゴカイとも呼ばれるように、朝鮮半島から インドにかけて生息するイソゴカイの仲間で和名はア オゴカイ。主に韓国から生きたまま大量に輸入されて いる。安くて丈夫イス、ハゼ、カレイ、スズキなどに使 われる。 |
![]() |
コガネムシ |
関西ではコガネムシと呼ばれるが和名はウチワゴカイ きれいな鮮紅色の体をしておりイシゴカイより大型になる。 またマムシよりずっと軟らかく水中でもよ動くので、カレイ の投げ釣りによく使われる。 |
![]() |
チロリ |
多毛綱チロリ科に属する虫で、日本各地の浅海お砂や 砂泥底に多く15cmぐらいになる。シロギス釣りのエサとし て使われる事が多い。 |
![]() |
弁天蛇虫 |
浜名湖内で採取できるイワムシの一種。湖内生息魚種 のほとんどに通用する万能エサである。他の虫類も充分 に通用するのだが、やはり弁天蛇虫に釣果率が高いのは 浜名湖の釣りは弁天蛇虫という偏重志向が強いからだろ うか。 |
![]() |
ボケ |
おもに内湾の干潮線の砂地に巣穴を掘って生活する。 クロダイ、キビレのかかり釣りのエサとしておなじみ。 |
![]() |
カメジャコ |
和名はアナジャコ体が黒褐色でスナモグリのような大き なハサミがない。ウロダイ、キビレ、スズキカレイ釣りのエサ として使う。 |
![]() |
パッチンエビ |
潮間帯の砂泥底にすむが北日本には少ない。 クロダイ、きびれ、スズキの釣りエサに使われる。 |
![]() |
クルマエビ |
関東から南の海に多く、浅い海の砂や砂泥底に群生す る。関東では小型をサイマキとかサヤマキと呼び、生きた ものをスズキやクロダイ、キビレ釣りのエサとして使う。 |
![]() |
ユムシ |
ユムシ動物門に属する小動物。これらは体色によって シロユ、クロユと区別しているが、まったく同じものである。 キビレやクロダイ、スズキ大型のカレイを狙うときによく使 われる。 |
![]() |
クモガニ |
豆ガニ、砂ガニとも呼ばれる。 甲が軟らかく食い込みがいいので落とし込み釣りによく 使われる。 |
![]() |
アサリ |
エサ取りの名手、カワハギ釣りの定番のエサ。 エサとしてはムキ身にして使うことが多い。 |
駿河湾のキビレ釣りで絶大な効果をあげていたエサで、浜名湖へは91年に初登場し、キビレ釣りのエポックシーズンともいうべき効果をあげた。最近は夏場の供給が薄く、乗っ込み期と落ち期に利用されている。供給が安定していればオールシーズンに通用するし、かなり有効なエサである。
このエサに出るアタリはハデだ。くわえて引きまわすように竿先を躍らせるが、他のエサならば確実に鈎掛かりする大引き込みを合わせてもスッポ抜ける。登場した当初はチョン掛けてあったが、このハラシ連続で刺し通しが通例となった。水を噴き出す口吻から鈎先を入れて剛毛のある排泄口に抜く。揺れる船の中では大変な作業で、当初はユムシ通しなどが登場した。最近はチヌ8〜1O弓などの大バリが使われるようになっている。チョン掛けにすると内臓が出てしぼんでしまうが、エサ盤りの少ない所ならこの方がいいという説もある。基本的には刺し通し、小さなものなら虫類の感覚でチョン掛けにしてもよいだろう。
ユムシの最大の利点はエサ盗りに強いこと。フグなどにかじられると内臓が出て、これに小魚が興奮するらしい。小魚が騒けば大型魚が関心を示すという段取りになる。エサのまわりにこうした興奮状態ができれぱ、しぼんで皮だけになってもいい。小魚を追い散らしてキビレが食う。皮が厚くてフグであっても食い尽くすのには時間がかかる。小魚の襲撃を受けても鈎残りする…これがユムシの最大の利点である。
ユムシやサイマキなど大きめのエサを襲う時、まず第一撃は横ぐわえであることが多いらしい。散切ることができないエサは「自分の獲得したエサだぞ」と、まず主張リておいておもむろに食う…水槽の観察でもこうした習性が見られるようだ。.ユムシのエサに出るアタリは大きい。カメジャコなどなら合わせても充分な動きを竿先が示しても、食い込んではいずスッポ抜ける。大アタリに惑わされず、これでもか!というほど待っての向こう台わせでよい。
水温が安定しない早春から乗っ込む魚にとってのメインディッシュがボケである。いわば活性を取り戻すまでのオカユみたいなもので、その軟らかさがこの時期の魚にとっては口に合うのだ。浜名湖では安定供給されるのが5月中旬まで。これ以降はキビレたちも湖内順応がすんで、硬いモノを口にするようになって他のエサと交替する。
ボケの利点は軟らかいことだが、弱点もまたこれだ。エサ飛ぴしたり、ハリ付けした後に崩れたりすることが多い。ハリは柄の長い丸海津の14〜15号が標準。尾羽の下から鈎先を入れ、胴の足の部分に抜くのが普通の刺し方。遠投しても飛びにくくするためには、尾羽を腹側に曲げて上の硬い、部分から鈎先を入れるとよい。また、キャスティング時に水中に垂れて没していると、抵抗がかかって散切れることが多いので要注意。
軟らかいということはエサ盗りにも弱いことになる。フグの大群に襲われたらイチコロだ。エサ盗りの少ない時期に魚の口にあうという点で救われるが、3番ミオ筋などでエサ盗りに襲われたら幾らあっても足りない。日の出などではそれほどのエサ盗りもなく、低水温期で食い渋る時期に多用される。この時期は潰したり散切ったりというケースが頻発し、明らかにキビレ、クロダイのアタリだと察したら焦らないことだ。魚が遊んでいるのなら、遊ばせてやれぱいい。ジレていい加減なアタリで合わせないこと。盗られたエサは撒き餌だと思ってくれてやる。脅してなければ次第に大胆になって食い込んでくる。
アタリはゴソゴソとやった後に一気…が多い。竿先のハデな動きに惑わされず、確実に竿に乗ったのを感じとらてから合わせる。軟らかいために魚はくわえて潰す。この時期では鈎先はどこを向いているか分からないわけで、充分に食わせ込み、魚が向こうに走ってからであれぱ鈎先はカンヌキに刺さる。
クルマエビの10cm前後をサイマキいう。浜名湖では中間育成を行って放流しているので大変に多く、キビレたちが活性を取り戻して浅場を就餌回遊する初夏以降は自然の常食餌でもある。ハリ付けには慣れを必要とする。
本来のサイマキ仕掛けは孫バリ付きの2本バリである。親バリチヌ4号、孫バリチヌ3号ぐらいが標準。親バリと孫バリの間隔はエビの大きさに合わせる。したがって、凝った人は親バリを根糸で巻いて移動式とする。ハリ付けは親バリの鈎先を口から入れて2番目のツノに抜く。この際に黒く見える脳髄に鈎先を通してしまうと弱りが早い。こうしたハリ付けに多少の慣れを要する。しかし、中には半分に切って頭だけを使うという人もあり、生きているにこしたことはないが散切ってもキビレが食うことを知っておこう。
常食としているだけにサイマキヘのアタリもハデに出る。まず一発目のアタリは襲うという感じだ。一撃して急所をかみ、その後で食い込む…これは鯛類がエビを襲う時の習性である。したがって、ユムシと同じく大きな竿の動きに惑わされての早合わせは禁物。最初の一撃は横ぐわえ、ここで合わせると運よくかかっても鈎先は歯の裏ぐらいにある。寄せてきて、いざタモという時にバラすのがこのケース。サイマキも遅合わせが確実な取り込み手段である。
エサ盗りの種類によっては鈎残りするエサである。フグなど見さかいもなく盗る相手ではどうしようもないが、小魚などであれぱ意外と強い。盛期の庄内湖などではカニぐらいしかエサ盗りがなく、こうした場所では真価を発揮する。また、釣魚も良型であるのが特徴で、一発大物を狙うにはよいエサだ。
夏期にユムシ不足戸なってからは周年を通じて安定供給されることで、一躍、主役の座に昇ったエサである。ボケほど軟らかくはなく、ユムシほど硬くはない…という程々加減手頃な価格が最も使われるエサとしての位置を確保した。
春先のボケと比較するとやや殻が硬く、多少は乱暴なキャスティングでもエサ飛びが少ないという利点がある。フグなどのエサ盗りにはボケ同様に弱いが、食い込みはボケと同、じく早い。カメジャコには小型キビレから大型までが食うという面白さがあり、そのあたりがビギナーからベテランまでの使用頻度が高い理由だろう。使用するハリはボケと同じく丸海津14〜15号、あるいはチヌの5〜6号ぐらい。
ボケは軟らかいため春先に多用されるが、カメジャコも軟らかい部類に属する。したがって、キビレの活性が高い5月以降は前アタリからフィニッシュのプロセスも早い。前アタリを感じ取った後の引き込みが、一気食いであったり、グイーグイーツと大きく引っ張っていくアタリであったりする。荒々しく、それでいて軽い引き込みは小型。断続して重々しいのは良型。引き込みのプロセスでそうした感触を察知し、合わせのタイミングをつかみたい。
小さなカメジャコの入荷する時期がある。大きいからよいというわけでもなく、小ガメのダンゴ付けも落ち期には面白い釣りを演出する。小指ほどであれぼ大きめのハリを使って、3匹ほどを抜き刺〕こする。一一つ盗られても次が残る…という具合に鈎残りの率が高く、一つでもハリに付いていればキビレは充分に食ってくる。
浜名湖内で採取できるイワムシの一種。これも魚たちが自然に食うことは多く、湖内生息魚種のほとんどに通用する万能エサである。他の虫類も充分に通用するのだが、やはり弁天蛇虫に釣果率の高いのは浜名湖の釣りは弁天蛇虫という偏重志向が津甥からだろうか。
早春3月に乗っ込み群を求めての出船では重宝する。ちょうど下りカレイも落ちてくるし、クロダイも乗っ込んでくる。また、秋の落ち期も同じで、小型キビレ、クロダイなどが頻繁にアタって楽しませてくれる。万能エサとして、これらの中・小型魚を釣りながらもキビレの大型に通用するのが弁天シャ虫だ。ハリはチヌ4〜5号、海津13〜14号ぐらいが標準。鈎先からのタラシは4〜5cmが必要。
虫類と鯛類の組み合わせは典型的なアタリをみせる。チョンチョンと先をくわえての前アタリ、グイックイッと断続して引いていき、最後にキューンと大引き込み。水槽での観察だとくわえるのは必ずしも虫の端ではなく、真ん中からの横ぐわえも結構多い・くわえてある程度引いていき・一旦放してスイッと吸い込む。
このプロセスを思い出して合わせのタイミングをつかむことだ。また、なぜタラシが必要かも分かるはずで、虫類の使用時はケチらないことが大型魚の釣果につながる。
他に使われる虫類にはチロリ、タイムシ、三河シャ虫、フクロ虫などがあり、さらに輸入された史エサ類が加わる。弁天シャ虫への偏重があることは本物志向の表れであろうが、細江湖ではアオイソメの1匹掛けで2sが釣れるのであって、他の虫が通用しないことはない。要するに鈎残りの問題であろうと思う。散切れたり、とろけたりしてはエサとして落第。湖底までいかにしっかりともっていけるかだ。
オオキナハサミ脚を持っていてパッチンと大きな音を立てるので、パッチンエビあるいはカッチンエビと呼ばれている。サイマキと同じくご当地エサでもある。
それだけに6月以降の庄内湖散開後には威力を発揮する。
片一方だけの大きなハサミ脚を持っているが、ハサミは付けたままで充分。ハリ付けはボケなどと同じく尻掛けにするが、殻が結構硬いのでキャスティング時に飛ぶことは少ない。ハリは丸海津14〜15号、チヌ6〜7号が標準。特に庄内湖ではエサ盗りも少なく、カッチンでのアタリはキビレの確率が高い。アタリのプロセスはサイマキに似ていて、大きめに出るので最後の締め込みまで待っての合わせ。
エサ盗りには強い。チンタなどが寄ってきたら、大きなハサミを振りかざしてパッチンと脅すのかも知れない。良型キビレであればハサミがあろうと、急所を襲撃してから食いにかかる。ヤドカリをエサにしてもそうだが、ややゴヅゴツというアタリがしばらく続いた後でキューンと引き込む。カッチン特有のブロセスがあるが、分かってしまえばアタリを楽しむことができよう。カメジャコ、あるいは弁天シャ虫との併用がよい。