OOPS東京連絡所

シーバスレポート 3  「隅田川のシーバスを食べよう!」

 

あの日、忘れもしない。確かに良太は言ったんだ。「喰ってみたい」と。

それは「リベンジ」で紹介した雨の夜、僕らはギブアップした後小宴会を開き、沖 店内でのこと。新型ボートの話とパチンコと魚と、さかりのついた哲哉の話をそれぞれ楽しみながら楽しいひと時を過ごしていたのだ。

「東京に来たら、東京のシーバスにトライしてくださいよ。」

「そ、そうなんですよ。それで、その魚って、いつもどうしてるんですか?食べないんですか?」

哲哉、僕共に、「・・・・・」(どう説明するか考え中)

「え?ど、どうしたんですか?やっぱり食べないんだぁ・・?」

哲哉「喰ってみたらわかると思うけど、どんな病気になるかわかりませんよ」

僕「そうですねぇ、おできなんかできたりして・・・」

一同「うっ・・・・」

僕「基本的にリリースですよ。喰おうと思ってやってるやつは餌で狙ってでも出したいでしょうし。」

哲哉「廃油やら、生活廃水やらありとあらゆる公害のにおいがしますよ!喰って喰えないことはないでしょうけど・・体にうろこがはえてきても保障できませんよぉ」

・・・・この間、皆さん恐怖映画のワンシーンで、主人公が危ない扉を開けるところを真剣に見入っているような目つきになって、僕たちの話を聴いていた・・・・・

追い討ちをかけるように僕らの話は続く。

哲哉「ドブの臭いってわかります?あの臭いがしますよ。多分、水は世界一汚い」

僕「ウンウン。暗いからあまりわからないけど、臭いはするよね。それとドブネズミと、橋の下にはホームレス。近所の若者が深夜まで遊んでいたりして、釣れると寄ってくる。」

やっとの事で息を吹き返した良太君「やっぱりカップルとかがいるんですね?」

僕「そうそう、アベックと、ホームレスと、ドリドリ族と、アングラーが入り乱れる世界ですよ」(しまった、誤解されるか?)

ついに決定的な言葉がこのとき良太君の口から発せられるのを、その場にいた全員が聞き逃すことはなかった。「喰ってみたいなぁ〜。東京の魚。」

誠さんはこのやばさを感じ取って、パチンコの話題にすり替えようと必死である。

「俺はパチンコやってるから良太、行ってこいよ・・・」

まさに生死を賭けた選択をした感じがするが、誠さんの全国制覇(パチンコ)も本部の活動の一環となっているらしいので応援したい。このHPで時々「勝った」と表現されているのはパチンコやさんでの遊戯のことである。

 

「オイ、ダウンジャケット出しといてくれ。そうそう、その赤いやつ、釣り用の。」

家内は僕の釣り用のダウンジャケットを押入れの衣装箱から出しながら、

「寒いのに、釣りに行くの?」などと当たり前のことを聞いてくる。毎年の恒例行事になってしまった。

 

ここの所寒くて水温の低下によるシーバスの活性低下が心配だ。冬はいつも安定した北風が吹いて寒すぎるので、風の少ないポイントに入るようになってしまう。

湾岸で風が少ないところはほとんどないが、橋の表裏で風裏に入ることができる場所もあって、どうしようもないときは「裏」に行くようにしている。

この日、どうしても隅田川の魚を釣らなければいけなかった。連絡所としては、本部の役員が視察に来る前にやっておかなければならないことがあったのだ。それは何をかくそう、隅田川シーバス試食である。試食するためには絶対に魚を見つけてGETTしなければならない。

昼間からショップ「J」に行き、「アオイソメくださ〜い。」と餌を購入し、万全で望んだ。これで釣れないと役員に顔が立たない。電話でも約束したんだ。喰ってるところの写真を送るって。

 

しまった!渋滞にはまりながら思い出した。Dカメがない。万全で臨んだはずなのに、釣ったところが写せない。そうだ!写メールしかない。絵が悪いけど勘弁してもらおう。

知る人ぞ知る、勝鬨橋。

潮は下げ半分くらいか・・・繰り返し良太ONEをキャストするが、生命反応を無くした川面がむなしい。実は仕込んでいる餌の竿もいまいちの反応。

餌に出た魚たち。20センチから・・・・(写メールでスイマセン)

この魚を喰うわけだが、いくら臭いといっても新鮮なうちに帰着しなければいけない。飛んで帰って解剖実験に臨んだ。(ここからダイジェストで御覧ください。)

まずはまな板の上。サイズがうかがえる。

3枚におろして、

皮をひく。

きれいに盛り付けて、

食べる。

これがこの日のすべての調査報告書の内容だった。味について僕は語るのをよそう。

そしてこの日から東京連絡所に新しい標語が生まれた。

「喰ってから言え!」である。夜中の12時を過ぎて、一人でせっせと魚をさばいて試食した僕の気持ちを想像してみて下さい。

 

あれから・・・2〜3日経って、誠さんからメールが来た。「その後。お体は大丈夫ですか?」と、最後に締めくくってあった。

実はそのとき僕の体に悪魔の手がさしのべられていたのだ。

お尻にできものが・・・・・・

ちょうどお尻を桃に例えますと、ヘタの部分を菊に見立てて、包丁で皮をむくときに最初に刃があたる部分、座ると椅子にあたる部分にでかいにきびのようなできものができてしまったのだ。

浜名湖ではボートに座り続けて紋章に痛みを感じる貴兄も多いと思いますが、桃ににきびはそう簡単にできないでしょう?釣りをしていても。

こ、これは隅田川の毒素が体中に蔓延した結果によるものなのではないか?

こんなこともあろうかと思って、近所の猫に残りを喰わせてあったのだ。ウチの猫は喰わせようと思ってもまたいでいってしまった。(そんなに臭かったのか・・・・)

近所の猫は一発でバイトしてきた。その後の彼らの生活を観察していても生死にかかわるような異変は見られない。ひとまずすぐに死ぬことは無いと安心し、すぐ、今後どのような異変が僕の身に降りかかって来るのかわからない不安に襲われた。

まだこのレポートを書いている僕は生きているので、実験は終わっていないのかもしれない。

 

漁多ONEで釣った魚を御覧ください。

サイズこそ小さいですが腹を食って来たようで、陸に上げてからのバタバタでフックまみれになってしまいました。もちろん、こいつはリリースしました。(笑)

11月9日21時勝鬨橋(激さむ)

あの時、僕は確かに聞いた。「喰ってみたい」と。

 

次回、OOPS本部、東京視察ツアーの模様をお伝えいたします。

もちろん、「喰ってから言え!」ですが・・・・・